この記事はこんな人におすすめです
この記事は、こんな方に向けて書いています。
- 北海道で注文住宅を検討していて、資金計画をこれから固める方
- 「いくら借りられるか」で予算を決めてしまいそうになっている方
- 変動金利と固定金利、どちらを選べばいいかわからない方
- 銀行選びで、金利以外に何を比較すればいいかわからない
住宅ローンは「借りられる額」で決めると、あとで返済が苦しくなります。
この記事では、実際のハウスメーカー・工務店との打ち合わせで出てきたやり取りをもとに、後悔しない資金計画の立て方を具体的に解説します。
以前の記事では、見積もりが当初予算から1500万円オーバーした原因を紹介しました。
今回は、その予算オーバーを防ぐための「資金計画」そのものにしぼって解説します。
「借りられる額」と「無理なく返せる額」は違う
住宅ローンは、金融機関の審査を通れば、年収に応じてかなりの金額まで借りられます。
実際、打ち合わせの中で「借入5,300万円ほどまで可能です」という試算を提示されたこともありました。
現在の家賃が月10万円程度で、無理なく払える返済額を月13〜14万円と伝えたところ、40年ローンであれば総額5,300万円ほどまで借入できる、という計算です。
数字だけ見ると「そんなに借りられるんだ」と安心してしまいそうになりますが、ここで立ち止まって考えたいのは、次の2つです。
- 借入可能額:金融機関が「貸せる」と判断する金額
- 返済可能額:教育費や生活費を差し引いても、無理なく返せる金額
この2つは、一致しないことのほうが多いです。
別のハウスメーカーとのやり取りでは、資金計画の再調整のなかで「ご主人様お一人の収入だけで、単独借入5,900万円が成り立つ」という提案を受けたこともありました。
一人分の収入だけで数千万円単位の借入が「成り立つ」と言われると、審査上は問題なくても、それが本当に無理のない返済額かどうかは、また別の話です。
打ち合わせが進む前に、返済可能額を家族で先に決めておくことをおすすめします。
借入総額は「建物+土地+諸費用」で考える
資金計画で失敗しやすいのは、建物本体の価格だけで予算を組んでしまうことです。
打ち合わせで実際に示された内訳の一例は、次のような構成でした。
| 費目 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 建物本体 | 33〜34坪クラスの本体工事費 | 約3,400万円 |
| 土地代 | エリアによって坪単価が大きく変わる | 約1,650万円 |
| 諸費用 | 登記・ローン手数料・火災保険など | 約250万円 |
この例では、建物・土地・諸費用の合計がちょうど借入可能額の範囲に収まる形で提案されていました。
裏を返せば、土地の予算が想定より上がると、この合計はすぐに借入可能額を超えてしまいます。
実際、「土地が1,700万円から1,900万円に上がった場合、40年ローンなら月々の返済額の差は2,400円程度」という説明を受けたこともあります。
一見小さな金額差に見えますが、これは「月々の返済額への影響」であって、「総支払額への影響」ではありません。
土地代が200万円上がれば、金利がかかる分、総返済額としては数百万円規模で増えることになります。
月々の返済額の話だけで安心せず、総額ベースでも確認することをおすすめします。
地盤改良費は「ゼロか、数百万円か」の差が大きい
見積もりで見落とされがちなのが、地盤改良費です。
打ち合わせでは「地盤が良ければ0円、悪ければ250〜300万円ほどかかる」という説明を受けました。
つまり、地盤調査の結果が出るまでは、費用が0円になるのか、300万円近くかかるのかが確定しません。
土地の候補を決める段階で、次の点を確認しておくと安心です。
- そのエリアの地盤の傾向(過去に地盤改良の実績が多いかどうか)
- 地盤調査のタイミングと、結果が出るまでの期間
- 地盤改良費が発生した場合、資金計画のどこで吸収するか
資金計画には、あらかじめ「地盤改良費が最大でかかった場合」も想定して、余裕を持たせておくことをおすすめします。
土地選びと資金計画はセットで考える
北海道、とくに札幌市内は、エリアによって土地の坪単価が大きく異なります。
打ち合わせで話題に出た例では、次のような傾向がありました。
| エリアの条件 | 坪単価の目安 |
|---|---|
| 地下鉄徒歩圏・55〜60坪クラス | 20万円台〜 |
| バス+JRでアクセスするエリア(郊外の駅周辺) | 地下鉄徒歩圏よりも割安 |
| バス15分程度・市街化区域の郊外 | 15〜17万円台、60坪前後の土地も選びやすい |
同じ予算でも、エリアを少し広げるだけで、坪単価と土地の広さのバランスが大きく変わることが分かります。
「駅から近い狭い土地」と「バス便だが広い土地」のどちらを選ぶかで、建物にかけられる予算も変わってきます。
土地探しを始める前に、「土地にいくらまで出せるか」を資金計画から逆算しておくと、エリア選びで迷いにくくなります。
住宅ローンの金利タイプを比較する
住宅ローンの金利タイプは、主に3つに分かれます。
| 金利タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 固定金利型 | 返済期間中ずっと金利が変わらない。返済額が確定して安心だが、金利はやや高め |
| 変動金利型 | 市場金利に応じて返済額が変動する。当初の金利は低いが、上昇リスクがある |
| 固定期間選択型 | 一定期間だけ固定金利、その後は変動金利に切り替わる |
借入額4,300万円・返済期間35年で試算すると、金利差による総返済額の違いは次のようになります。
| 金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 0.95% | 約12.1万円 | 約5,057万円 |
| 1.65% | 約13.5万円 | 約5,664万円 |
| 3.15% | 約17万円 | 約7,103万円 |
金利が2.2ポイント違うだけで、総返済額は2,000万円以上変わります。
固定と変動、どちらを選ぶかは、家計にどこまで余力があるかで判断することをおすすめします。
金利の「タイミング」でも条件が変わることがある
意外と見落としがちなのが、審査を申し込むタイミングによって、適用金利が変わることがある点です。
打ち合わせでは、「2月から金利が上がる予定のため、1月中に事前審査を出せば0.83%、2月以降だと0.93%になる可能性がある」という説明を受けました。
わずか0.1ポイントの差でも、借入額が数千万円規模になれば、総返済額への影響は無視できません。
金融機関の金利は、年に数回見直されることがあります。
土地探しや打ち合わせのスケジュールを立てる際は、「いつまでに事前審査を出すと、今の金利が適用されるか」も、あわせて確認しておくことをおすすめします。
銀行選びは「金利」だけでなく「手数料」と「団信」も見る
住宅ローンを選ぶとき、金利の低さだけに注目しがちですが、手数料や団体信用生命保険(団信)の内容も、総支払額に大きく影響します。
打ち合わせで比較に出た例では、借入5,500万円の場合、次のような差がありました。
| 項目 | 地方銀行の一例 | ネット銀行の一例 |
|---|---|---|
| 事務手数料の目安 | 約120万円 | 約2.5万円 |
| 差額 | — | 約115万円 |
手数料だけを見ると、ネット銀行のほうが圧倒的に有利に見えます。
ただし、団信の保障内容には差があることも説明されました。
- ネット銀行は手数料が安い代わりに、団信の保障が基本的な内容にとどまる場合がある
- 地方銀行では、がん・脳卒中・心筋梗塞などをカバーする「8大疾病保障」が標準で付いているケースもある
団信は、契約者に万一のことがあった場合、住宅ローンの残高相当額を保険が負担する仕組みです。
「手数料が安いから」という理由だけで銀行を決めるのではなく、団信の保障範囲まで含めて比較することをおすすめします。
- 事務手数料・保証料の総額
- 団信の保障範囲(基本タイプか、上乗せタイプか)
- 金利が適用されるタイミング(審査のスケジュール)
この3つを、金利と並べて比較すると、銀行選びの判断がしやすくなります。
変動金利を選ぶときに知っておきたいリスク
変動金利は、当初の返済額が低いため、選ばれることが多い金利タイプです。
ただし、市場金利の動き次第で、返済期間中に金利が上がる可能性があります。
変動金利を選ぶ場合は、次の点を確認しておくことをおすすめします。
- 金利が上昇した場合、返済額はいくらまで増える可能性があるか
- 返済額の見直しルール(5年ルール・125%ルールなど)があるかどうか
- 金利が上がっても家計が耐えられるか、あらかじめシミュレーションしておく
「今の返済額」だけでなく、「金利が上がったときの返済額」まで確認しておくことが大切です。
土地を先に買う場合は「つなぎ融資」も検討する
注文住宅では、土地の購入と建物の完成が同時ではありません。
住宅ローンは、原則として建物が完成してから実行されます。
そのため、土地の代金や着工金を先に支払う必要がある場合、「つなぎ融資」という仕組みが使われます。
つなぎ融資には、次のような特徴があります。
- 住宅ローンより金利が高めに設定されていることが多い
- つなぎ融資期間中の利息は、別途支払いが必要になることがある
- 金融機関によって、つなぎ融資に対応しているかどうかが異なる
土地を先行して購入する予定がある場合は、資金計画の段階で、つなぎ融資に対応しているかどうかを確認しておくことをおすすめします。
入居後にかかる費用も資金計画に入れておく
資金計画は、住宅ローンの返済額だけで終わりではありません。
入居後には、次のような費用が継続的に発生します。
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険・地震保険の更新費用
- 外壁や屋根、設備のメンテナンス費用
住宅ローンの返済とは別に、月1〜2万円程度を積み立てておくことをおすすめします。
積立がないまま数十年後に大規模修繕が必要になると、まとまった出費に対応できず、住宅ローンの返済にも影響が出ることがあります。
資金計画は打ち合わせの前に固めておく
打ち合わせが進んでから資金計画を考え始めると、間取りやオプションの希望が先に膨らんでしまいます。
以前の記事でも触れたとおり、要望に優先度をつけないまま打ち合わせを進めると、見積もりはどんどん膨らんでいきます。
資金計画を先に固めておくことで、次のようなメリットがあります。
- 「マスト」「できれば」「あればなおよし」の要望に優先度をつけやすくなる
- オプションを追加するたびに、総額への影響を判断しやすくなる
- 土地探しの段階で、エリアや広さの現実的な範囲が見えやすくなる
打ち合わせが本格化する前に、返済可能額・土地予算・諸費用の3つだけでも、家族で先に整理しておくことをおすすめします。
まとめ
北海道の注文住宅で資金計画を後悔しないためには、「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」を基準に考えることが大切です。
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 借入可能額と返済可能額は別物として考える。「単独で数千万円借入できる」という提案も、審査上の話にすぎない
- 借入総額は建物・土地・諸費用の合計で考え、土地予算の変動が総返済額に与える影響まで確認する
- 地盤改良費は0円〜数百万円まで幅があるため、資金計画に余裕を持たせておく
- 土地はエリアによって坪単価が大きく変わるため、資金計画から逆算してエリアを選ぶ
- 金利タイプだけでなく、事務手数料・団信の保障範囲・金利適用のタイミングまで比較する
- 入居後の税金・メンテナンス費用も、月々の積立として資金計画に組み込む
資金計画は、打ち合わせが本格化する前に固めておくほど、あとの判断がぶれません。
「借りられる額」ではなく「返せる額」で考えることが、北海道の注文住宅で後悔しないための一番の基本です。


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